にんじんとるねーど

富山が産んだチルユニット『石垣クリエイターズ』でみんなチルしよう

社会に俺の居場所はない #2「誰も俺なんか見ていない」

そんなこともあり部活の同期に不信感を抱きながら時はすぎ高校を卒業した。俺は浪人した。ちなみに部活で浪人している奴は俺だけだった。みんな第一志望にそそくさと合格していった。こんなつまらないことでも俺は疎外感を感じていた。

 

そんな勉強する気も起きない春休みに、俺は「孤独の力」という本に出会った。内容はよく覚えてないが、「勉強は元来一人でするもの」「孤独には膨大なエネルギーが宿る」みたいなことが書かれていたことは覚えている。俺はその本のその内容だけを抜粋して自分の生活に取り込んだ。きれる人間関係は全て切った。安定した精神と交友関係を失った代わりに、勉強に集中できた一年だった。

 

俺は晴れて第一志望に合格した。疎外感を感じながらも俺はどこかでまだあいつらに認められることに期待していた。みんな仲のいい仲間であることにどこか期待していた。だがただの腐った期待だった。俺が同期のみんなからお祝いの言葉をもらうことはほとんどなかった。俺はまた絶望した。勝手に期待して勝手に落ち込んだ。

 

元々俺がその第一志望を目指していたのはみんなにすごい、と言われたかったからだ。今思えば腐った承認欲求だったが、当時の俺は勉強していい大学に入って認めてもらいたかった。特に苦楽を共にし、一緒にやってきた部活のメンツに認めてもらいたかった。そんなのは夢のまた夢だった。

俺はこの時同時にいろんなことを学んだ。「自分が思っている以上に誰も俺なんか見ていない」「人に期待するから落ち込む。落ち込みたくないなら人に期待なんてするな」「信じられるのは自分だけ」

浪人の時の孤独生活といろんな思想の変化を経て、俺の大学生活は孤独と虚無に満ちたものになった。