「絶対に誰にも言うなよ。僕らだけの秘密だからな。」
ぼくの言葉にヒロは大きくうなづいた。
そのうなづきを見てぼくは確信した。
こいつなら大丈夫だ。
「ぼく、マナのこと好きなんだ。」
「わかった。誰にも言わない。」
ぼくはヒロの言葉に安心した。
ヒロはぼくからの秘密を共有したことに満足していた。
運動会シーズン。
なにかと誰かが誰かを好きになってしまう魔法のような期間。
ぼくは密かに恋をしていた。
そしてその恋を大親友2人に打ち明けた。
秘密を打ち明け、共有すると言うのはお互いの信頼がないとできない。
ぼくらだけが何か他人よりもものを知っていると言う特別感。
その秘密がどこかから聞かれ、漏れてしまうのではないかという緊張感。
いつもが刺激的な毎日だった。
その翌日、その秘密が他の友人にバレていた。
そのまた翌日、ヒロがぼくの目の前でさらに別の友人にぶっちゃけていた。
友情とは儚いものである。
それ以降ぼくはヒロを信用しなくなった。
あきぴで